「ダイエットに漢方薬!?」

 

9月になり朝晩が涼しくなって、ずいぶん秋らしくなってきました。
秋は「スポーツの秋」と共に「食欲の秋」でもあります。夏の暑さで食欲が低下気味だった人も、涼しくなるごとに食欲が増す季節です。食欲があることは健康のバロメーターの一つでもあるのですが、太り気味でダイエットしようと思っている人には辛い季節と言えるかもしれませんね。

ということで、今回は肥満についてのお話です。

肥満の原因は使うエネルギー(消費エネルギー)より摂取するエネルギーが多いということ、つまり、単純に言うと運動不足や過食・過飲(食べ過ぎ、飲み過ぎ)が主たる原因になりますが、体の機能が低下しているために摂取したものがうまく消費されない場合も考えられます。
これはどういうことかと言うと、摂取したエネルギーを消費エネルギーに変えていく力が体質的に弱いという場合もありますし、中高年以降は年齢的に代謝機能が低下するため食事量を減らさないと太ってしまうということです。また、外見上太っていてもその原因はさまざまで、原因に応じた対策が必要となります

漢方で、肥満に関係の深い臓器と言われている「脾」と「腎」の働きは以下の通りです。

◇「脾」の働き
「脾」は飲食物の消化・吸収をコントロールし、栄養分や水分の全身への運搬などを行います。「脾」の機能が衰えると、消化や吸収力が弱まるだけでなく、脂肪の代謝も低下して余計な脂肪がついたりします。

◇「腎の働き
「腎」は体内の水分代謝をつかさどる機能と、人体を構成する基本物質「精」を蔵することで成長・発育・生殖をつかさどる機能の2つがあります。「腎」の働きが悪くなると体内の水分の排出がうまくいかなくなり、体に不要な水が溜まった状態になります。

このように、「脾」や「腎」の機能が低下したり、過食・過飲で臓器の処理能力を超えてしまうことで、
「痰湿(たんしつ)」が体内に蓄積します。
「痰湿」とは水分や脂肪、コレステロールなど、身体に過剰に溜まった病的な体液成分のことです。水の代謝が正常であれば、さらさらで綺麗な水が過不足なく全身くまなく巡りますが、代謝がうまくいかず停滞すると、次第によどんで濁り、有害な物質へと変化してしまうのです。それが「痰湿」です。
体内の水分はほぼ飲食物に由来するので、摂取する飲食物の影響は大きく、特に甘い物、ねっとりして味の濃いもの、油っぽく脂肪分が多いものの食べすぎは「痰湿」の生成に直接つながります。
肥満の原因は、飲食物が体に有益な栄養に代謝されず、「痰湿」となって蓄積したことによるものと考えられます。

更に、漢方では肥満を体質によって実証タイプと虚証タイプに分けて考えます。

◇実証タイプ
ガッチリとした体格で、体力があって筋肉にも弾力があり、お腹はおへそを中心に盛り上がった太鼓腹で、固太りタイプともいわれます。食欲旺盛で便秘がち、暑がりの傾向があります。

◇虚証タイプ
胃腸が弱くて疲れやすく、筋肉にしまりがなくどちらかというとぶよぶよした肉つきの水太りタイプです。むくみやすく、手足が冷える傾向にあります。

それぞれの漢方薬処方としては、実証タイプの肥満には、痰湿を発散させ、熱や炎症をさますもの、便通をよくするもの、血流をよくする生薬などが配合され、虚証タイプには、脾の機能を高め、水分代謝を良くして湿痰を取り除くような生薬などが配合されます。

近年、「ダイエットに効く漢方薬があるらしい」という口コミが広がり、薬局に訪れる人も多いそうですが、漢方薬は体質の改善に作用するのであり、飲むだけで他に努力しなくても痩せられるというものではありません。
一番大切なのは日々の生活習慣ですので、毎日の食事内容を見直して適度な運動を取り入れるなど、生活習慣を改善させた上で体質に合った漢方薬を使用するのであれば、ダイエットの心強い味方になってくれるはずです。

なお、命門堂では漢方薬の他に、酵素ファスティングも取り扱いしていますので、興味のある方はお気軽にご相談下さい。

薬剤師 近藤尚美

 

 
 
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