秋の肌トラブル

 

11月になり暦の上では秋も終盤になりました。
日中は爽やかですが、朝晩は肌寒く感じるようになってきました。空気も乾燥してきて、肌のトラブルを訴える患者さんも増えてきたように感じます。私自身、手指がかさつき初めて毎日ハンドクリームを使うようになりました。肌で季節を実感する今日この頃です。

東洋医学では人間も自然の一部と考えます。人間の身体は自然界の影響を強く受けていて、自然とのバランスを保つことで健康を維持できると考えます。季節の移り変わりがはっきりしている日本では、四季それぞれに身体に受ける影響を考え、季節に応じた対応をすることが大切です。

高温多湿の夏が終わり、涼しくなると同時に急に空気が乾燥する秋は「燥」の季節にあたり、秋特有の邪気「燥邪(乾燥)」の影響を受けやすくなります。鼻、口、喉や皮膚など、外気に触れるところが乾燥して、トラブルを起こしやすくなるのです。
特に、呼吸をつかさどっている「肺」は乾燥に弱く、潤いを好む臓器です。東洋医学では「肺は皮毛をつかさどる」と言い、呼吸器に皮膚を含めてとらえています。健康な人の肺は、「水」と「血」によって潤されていることで、呼吸と防御の役割を果たしています。秋から冬の外気の乾燥によって肺の水血が不足してくると、から咳、咽喉の乾燥、声がすれといった呼吸器のトラブルだけでなく、そのダメージが皮膚にも影響し、肌がかさついたり、かゆみや赤みなどのトラブルを起こしやすくなるのです。
特にアトピー性皮膚炎の人や高齢の人は乾燥の影響を受けやすく、かゆみから掻きむしったりしがちで、皮膚症状も悪化しやすいので要注意です。かゆいから掻いてしまうのですが、掻くとその刺激により更に痒みを増すといった悪循環を招きます。ですので、いかに搔かないようにするかが治療の一つのポイントでもあると言えます。

保湿クリームを塗ることは皮膚を保護する働きのある皮脂や水分を補い、乾燥から皮膚を守るために有効ですが、表面を潤すだけでなく、体内の潤いを十分に保つことが大切です。
食の養生は、燥邪を取り除いて身体に潤い(水分や栄養分)を与えることがポイントです。肺を潤すものや「血」を補うものをしっかりとりましょう。秋は
肺をうるおす旬の味覚がたくさんあります。とくに、果物では梨、野菜ではれんこん、さつまいも、やまいも、ゆり根、きくらげなどがおすすめです。血を補う食材としては、にんじん、黒ごま、たこ、いか、ひじき、プルーンなどが挙げられます。反対に辛いもの、油っこいもの、甘いもの、アルコールなどの摂り過ぎは乾燥を促進し、皮膚の症状を悪化させてしまうので注意して下さい。

以下の日常生活での養生も参考にして肌を乾燥から守り、来たる冬に備えましょう。

◇加湿器やマスクなどを使って乾燥から身を守る
◇ゆったりとした深呼吸で肺を鍛える
◇早寝早起きをして、安定した生活を送る
◇暑すぎるお風呂や長時間の入浴は避ける
◇石鹸やシャンプーなどは洗浄力がマイルドで低刺激性のものを使う
◇自分の肌質に合ったスキンケア製品を使う

命門堂では個々のご体質に応じた漢方調剤の他、自然の生薬配合のスキンケア製品(保湿クリームや入浴液など)も取り揃えています。どうぞお気軽にご相談下さい。

薬剤師 近藤尚美

 

 
 
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