冬の養生

 

昨日は二十四節気の一つ「冬至(とうじ)」でした。
かぼちゃを食べ、ゆず湯に入った人も多かったのではないでしょうか。



かぼちゃはビタミンAやカロテンが豊富で、肌や粘膜を丈夫にして風邪などの感染症に対して抵抗力をつけます。また、ゆず湯は血行促進効果があり、身体を芯から温めて風邪を防ぎ皮膚を強くする効果があります。
冬至の風習は季節の養生として、理にかなったものと言えます。


中国医学の古書には、人間が心身ともに健康に生きていくためには「自然との調和」が大切であると記されています。天(自然)と人は一体であるという「天人合一(てんじんごういつ)」の考え方がその根底にあり、春夏秋冬の季節に応じた養生法を示してくれています。季節の変化に応じて、人も生活の仕方を変えていく必要がある、というのが養生の考え方で、 自然に沿った生活を実行して身体と心を健康に保つものです

古書には「冬の養生法」について、次のように書かれています。

「冬三月、此謂閉蔵。水冰地坼、無擾乎陽。早臥晩起、必待日光、使志若伏若匿、若有私意、若已有得。去寒就温、無泄皮膚、使気亟奪。此冬気之応、養蔵之道也。逆之則傷腎、春為痿厥、奉生者少。」

冬の三か月を閉蔵(へいぞう)という。万物が門を閉ざして、閉じこもる季節。水は凍り、地面は裂ける。陽気を乱してはならない。夜は早く寝て、朝は遅くまで寝床にいて日が昇ってから起きること。寒気を避けて過ごし、体内の陽気を外へ出さないように心がける。精神的には気を静めて、満ち足りたような気持ちでいるのが良い。過労して汗をかき、陽気を逃がすことのないようにしなければならない。これらに背くと冬の臓である腎を損傷し、翌春になって体調をくずすことになる。

冬眠する動物や冬に葉を落として寒さに備える植物などは、自然に沿って冬の寒さを耐え忍び、春になると、動物たちは元気に活動を始め、草木は新芽を出したり花を咲かせたりするのです。
私たち人間も自然界に見習って、しっかりと冬の養生に努め、次にくる春に備えたいものです。

冬の養生
◇早めに就寝するようにし、睡眠は長めにしっかりとる。
◇体を寒さから守るために防寒に努める。特に首回り、腰回り、足元を温めると効果が高い。
◇ストレスを避けて心穏やかに過ごす。ゆっくりとした深呼吸なども有効。
◇過度な運動や労働はできるだけ避ける。
◇身体を温めるネギ、ショウガ、にんにく、とり肉等、腎を補う豆類、黒ゴマ、山芋、納豆、豚肉等を食べ、食養生に努める。
◇入浴はシャワーだけで済まさず、湯船に入り、ぬるめの温度でゆっくりつかり、身体の芯まで温まる。

東洋医学では、「未病を治す」という独自の考え方があります。これは病気になる前の段階(未病状態)で、外界などの変化に対応して病気の種をつんでしまおうという考えです。つまり先ほど述べたように、季節に応じた日常生活での養生が大切だということです。

年の瀬は寒さが本格的になる上、仕事納めや新年の準備などで多忙になり、心身ともに疲れがたまりやすくなります。
楽しく年末年始を送るためにも、しっかりと養生して体調を整えたいものです。

薬剤師 近藤尚美

 
 
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