冷え③

 

最近は少し気温が上昇する日も出てきていますね。

ですが、温かさも出だしてきているからこそ、寒暖差で体調を崩してきている人が多くなっています。

まだまだ寒さに気を抜けない季節ですので、冷えの続きを書き上げます。

 

五臓で考えた残る冷えは肺陽虚と心陽虚。

肺陽虚は肺という言葉から連想しやすい、呼吸器系統に異常が出やすく、単純に咳などの症状や声が小さいなど、また東洋医学での考え方では皮膚表面などの肉体においての浅い位置は肺が司っており、肌などにも異常が出やすいです。また風邪を引くときには身体の外側から段々内側に入っていって罹患しますが、その時肺が陽虚状態であると、外邪に対しての抵抗力が落ちているために容易に中に入られます。つまり風邪などの感染症に弱くなってしまっています。

他にも肺は宣発粛降といって、身体の津液(水)を全身に散布してるため、肺陽虚を起こすと肺の機能異常により水の流れが悪くなり、口が乾いたり、小便に不都合が出たり、汗にも異常が生じてきます。

また肺陽虚体質であると、風邪は寒邪に入られやすく、より陽気を損傷してしまいます。

一般的には肺陽虚からの冷えなどはあまり見かけない印象はありますが、運動不足がちで湿度が高く、また水筒やペットボトルの普及で水分補給が簡易になった今の日本はほとんどの人が湿痰という、水の代謝不良産物を抱えています。それは基本的には作る原因は脾(胃)にありますが、作られた湿痰は肺に溜まるといわれています。

現代ではそのあたりが重要視されていないような気がしますが、肺の陽気は湿痰を捌くうえでバックアップとして重要になるかもしれません。

 

心陽虚については心でイメージしやすいように、動悸などの症状が現れやすく、それに伴い息切れ、また顔面蒼白(血の気が引いた色でなく、体温がなく白抜けている)、驚きやすい、脈が遅く弱いなどです。

発汗過多などにより、軽度に心の気(陽気)が抜けてしまっている場合は桂枝と甘草の組み合わせで心陽を補います。これは色々な処方に出てくる組み合わせで、とても重要です。心陽気が抜けることで気上衝を起こしている症状に幅広く使われます。イメージしやすいものでいうとのぼせなどです。

また、心陽虚からの冷え症状で代表的なのは陽虚からの厥逆症状で、四肢が強く冷える症状が起きます。この状態は上記で書いた桂枝甘草などで補えるほど軽いものでなく、かなり深い問題です。なので、臨床的に冷えを訴えるだけでこの心陽虚で来る人はそれほどおらず、その場合はかなり急を要します。附子・乾姜・甘草を中心とした方剤で対処します。

 

他にも細かく書けば色々と症状などの波及がありますが、冷えに関してはこれで以上となります。

現代は先ほど書いたように湿痰を抱えることで冷えを生んでいる人も多いですし、スーパーには季節にかかわらずいろんなものが取りそろえてあります。便利ではありますが、夏に取れるものなどは身体を冷やしやすい傾向にあり、冷えを感じているから外からは頑張って温めていても、内側からどんどん冷やしてしまっている人もおりますので、当たり前の生活の中に引き締めるポイントを作っていきましょう。

 

薬剤師  櫻井

 

 
 
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