【創業33年漢方専門薬局】不妊症や様々な病気を東洋医学的観点から根本的解決へと導きます

便秘について

今回は患者さんの中にも多く、

私も時折悩まされることのある「便秘」に関するお話しです。

便秘になるメカニズムとは?

便秘は東洋医学では“胃気(いき)”の滞りによるものと考えます。これは、胃腸を動かすしくみのことで、

“胃気”の働きが滞ると腸の動きも止まってしまい、便秘になるとされるのです。

“胃気”が正常に働くためには、まず体全体の“気”がスムーズにめぐっていなければなりません。

“胃気”は本来、上から下に向かって流れることで正常に保たれていますが、“気”のめぐりが悪いと(気滞:きたい)、

下向きの流れが弱くなったり、逆流したりするのです。

とくに気滞が原因となり、陰虚(いんきょ)や瘀血(おけつ)をともなっている人は、便の質も悪く、

便秘になりやすいというわけです。

便秘のタイプ別養生の仕方

陰虚

“水”が不足していて、体全体に潤いがなくなっているのが、陰虚の人。

乾燥による症状は皮膚だけではなく、さまざまな場所に表れますが、それが胃や腸に表れると便が乾燥して

かたくなってしまいます。

陰虚の人は寝不足や過労で“気”を巡らせる底力が低下していることも多く、胃腸の動きが悪くなりがちです。

すると、乾燥した便が一層排出されにくくなるということになります。

このタイプの人が腸を潤そうと水分を過剰にとっても、胃腸を冷やすだけでさらに動きを悪くしてしまいます。

養生としては、十分な昼間の活動によって得られる夜の睡眠を充実させること。しっかりと休養をとること。

睡眠不足や過労は、“水”の消耗を招く要因です。

瘀血

“血”の流れが停滞しているのが、瘀血の人。

腸の中の“血”の流れが良くない状態では、便をうまく排出することができません。

また、“血”は熱を運ぶ役割があるので、この流れが滞ってしまうと冷えが生じ、胃腸を動かす“胃気”の働きを

低下させることにつながります。

さらに“血”は、それ自身に流れる力はなく、“気”が先導することによって、初めて全身に運ばれるもの。

このため“気滞”の人は同時に“瘀血”になっていることが多いようです。

養生としては、体を冷やさないことが大切です。“気”の循環をスムーズにすることもポイントになるので、

イライラしすぎず楽しい時間を持つことが一番です。

養生しても改善が見られない場合、ご体質に応じた漢方薬をご案内することもできますので、お気軽にご相談ください。

薬剤師 近藤 尚美